Pivotal TrackerクローンのFulcrumは使えるのか

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アジャイルなプロジェクト管理ツールの定番はPivotal Trackerと言っていいでしょう。Pivotal Trackerではユーザーストーリー(フィーチャ)やベロシティといったアジャイル開発の概念をそのままの形で表してくれるのですんなり入り易いです。

なお、Pivotal Trackerについての詳しいことはこっちに任せます。→ユカイ、ツーカイ、カイハツ環境!(27):いまアツいアジャイルプロジェクト管理ツール9選+Pivotal Tracker入門 (1/3) - @IT

このPivotal Tracker、筆者もあるプロジェクトで使用しています。

Redmineよりも機動力が高く少人数(2人とか!)のプロジェクトではPivotal Trackerのほうが使い勝手がいいという印象でした。本格的にアジャイルしない場合でも気軽に使えるのがいいですね。

Redmineはややオーバースペックなところもあるので。。

ですがこのサービス、有料です!
60日間のトライアルのあとは有料プランを選ばないと使えません。

Pivotal Trackerを使いたいけど個人的にちょっと使うには毎月7ドルでも痛いという人もいると思うので、まずその代替案を紹介します。

Pivotal Trackerのクローン「Fulcrum」

GitHub:malclocke/fulcrum

Rails3系で開発されているFulcrumというcloneがあります。オープンソースなので使うのにお金はかからないし、RailsなのでHerokuにホスティングもできます。そもそも個人的に使うのであれば低負荷でも問題はないはずなのでHerokuの無料範囲内で十分使えるでしょう。

FulcrumのREADMEを見ればHerokuへデプロイする方法が記載されています。

Heroku setup

本当にこの通りにやればできるのでほとんど時間はかかりません。先ほど試しましたが5分もかかりませんでした。

こんな雰囲気です。

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Fulcrumでできること

Fulcrumではプロジェクト管理のために必要な最低限のことができるといった感じでした。以下のようなことができます。

  • ストーリーの追加
  • ベロシティの見積もり
  • 担当者の割り振り
  • Start → Finish → Deliver → Accept
  • 4つのパネル(Done、In Progress、Backlog、Chilly Bin)
  • ドラッグ&ドロップによるパネル間のストーリー移動
  • ストーリーをCSVでインポート/エクスポート(PivotalのCSVもインポート化!

逆に言うとこれしかできません。

ストーリー作成画面も凄くシンプル。

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Pivotal Trackerならこれができる

Fulcrumでできることは当然できる上、次のような機能も使えます。まともにプロジェクト管理するためにはなくてはならないフィルタリングや検索などができるようになっています。

  • 担当者でフィルタリング
  • ラベル(タグのようなもの)でフィルタリング
  • EPIC(多分フォルダのようなもの)でグルーピング
  • 検索
  • チャート(ベロシティとかバーンダウンとか)

言い換えれば、Fulcrumではそのあたりのことができないので仕事で使うには力不足と言えるでしょう。

ストーリー作成画面はFulcrumよりも少しだけイケてる。

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結論と要望

さすがに商用プロダクトなだけあって、Pivotal Trackerのほうが圧倒的に使い勝手がいいです。当たり前です。なので7ドル払ってもいいと思える人は素直に払ったほうがいいでしょう。

ただ、Fulcrumも以下の機能が使えれば実用に耐えるかもしれません。

  • 担当者でフィルタリング
  • ラベルでフィルタリング

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こんな風に設定できるのに、絞り込みに使えないなんてひどい!

ちなみに、Fulcrumは見た感じあまりアクティブではなさそうなプロジェクトなので必要なら自分で実装するしかないかも。